ピアニカ

2005年3月28日 TV
3月28日。

朝から「砂の器」、というわけにはいかなくて、まずは部屋の片付けから(笑)。
うん、なんか、落ち着いて見たいな〜、って思って。

で、午後。7〜9話を見る。

私、ず〜〜っと思っていることがあるのだけれど。
(どこかで話されているのかもしれないが…)

あの、ピアニカを使うことを最初に考えたのって、誰なんだろう。
龍居さんなのか、それともディレクターなのか、プロデューサーなのか。
もう、誰だか知らないけど、すごい!って思ってしまう。

特に、7〜9話を見てると、もうこの話ってピアニカなしでは成り立たない(っていうのはオーバー?)んじゃないかって。

ついに訪ねてきた今西刑事たちを部屋に通し、尋問には冷静に答えたものの、ドアを閉めたとたんに崩れ落ちるように震える和賀さん。

「僕が…僕がやりました…僕が…」

そして、クローゼットから取り出すピアニカ。

ピアニカの登場は1話以来。これから精神的に追い詰められていく和賀さんの唯一の心の支えになっていくピアニカ。

三木さんの鞄を捨てに行ったあと。
ピアノではなく、ピアノの上に置いたピアニカを弾くシーン。
あの生活感のない部屋が、今までの和賀さんの孤独を象徴しているようで。そして、ピアニカを愛おしそうにポンポンする姿を見るともう涙。

フォルテであさみと会ったあと。
鍵盤を叩き、楽譜を破り、髪を掻き毟る。そして、そこにあるピアニカを見つめ、手にする。
もう、ピアノが弾けない。弾きたいのに、弾けなくなってしまっている。
子どものときのように、座り込んで一心にピアニカを弾く和賀さんに、桐原老人が過去を語る声が重なる。

それから、和賀さんが、ピアニカを置くとき、本当に大切そうに扱うのが好きだ。

三木さんの鞄を捨てに行く前。
9話で、亀嵩に行く決心をした後。
そして、もちろん、コンサートの舞台袖に。

9話。もう和賀さんはピアニカで「宿命」を弾かない。

どうしても完成しない「宿命」。捨てたはずの過去との葛藤をぶつけるように叩く後姿。
あの放浪の旅を地図でたどる指先は、習いたての子どものようなたどたどしい音を奏でる。

放浪シーンでも、私がいちばんグッとくるのは、千代吉がピアニカを盗んでくるところだし、亀嵩でいじめっ子からピアニカを取り返す場面も胸が詰まるし。

ラストシーンのことを言うまでもなく、千代吉と秀夫を、そして、過去の本当の自分と偽りの自分を結びつけるもの、としてのピアニカ。その音色はあくまでも物悲しく。
本当にこのドラマにはなくてはならないものだった、とつくづく思う。

ちょっと話は変わるが、和賀さんがいないのにどうしてもこのシーンは泣けてしまう。

公園での今西刑事。
「彼は宿命に立ち向かって生きてきた。
でも、ある日、それを背負いきれなくなった。
だから、罪を犯した。彼は間違えたんです。
私は、私のやり方でしか彼を救うことはできない。あなたも…」

そして、警察でのあさみ。
「私は…私は、あの人を救えますか。
私もあの人を助けたい。助けたいんです」

私も、和賀さんを救いたいって、心から思ったよ。

さて、今夜は最終楽章を見て、また書きにこよう。

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