直江先生は、倫子と話すとき、自分のことを「僕」と言う。

「そのために僕は、医者としてやるべきことをやる。」
「君は僕の、何を知っているというんだ。」
「それに、僕のことはなんでも君に話すって約束しただろう。」

ビデオレターの中でも。

「僕は、多発性骨髄腫。」
「僕は、最初から、そのときが来たら消えようと、湖の底に滅んでいく体を深く沈め、きれいに消えようと決めていた。」
「そんな僕を、君が包んでくれた。」
「僕のわがままだったんだ。」
「いつか君が、愛する人の子どもを産んだとき、僕は、笑顔で祝福を贈りたい。」

そんな先生が、自分のことを「俺」と言ったことが3回あった。

(いやたぶん、3回、だと思うけど^^;。実はこれを書き始めて、あっ、1話にもあったじゃん、と思い出したので…)

1話で、初めて倫子のほうに向いてのやりとり。

「酒臭いかな。」
「はい、だいぶ飲んでるみたいで興奮してます。」
「いや、俺のこと。」

それから5話。部屋を訪ねてきた倫子に言い放つ言葉。

「そんなことを言われて、俺が喜ぶとでも思ったか。」
「俺は、君が思っているような男じゃない。」

(うわ〜、ここの先生、すんごく好きなんだ〜〜^^)

1話のところは、ほとんど初登場の先生の、なんか胡散臭そうな医者の感じが出ているし、5話は、直江先生が倫子を無理に突き放そうとしている感じなのだろう。

で、もうひとつの「俺」は全然違う場面。何度も書いてるけど、私のリピート率ダントツシーン。

「ずっと、ここにいてくれ。ずっと、ずっと、俺のそばにいてくれ。」

大好きなシーンにも関わらず、先生がここで「俺」と言うことに、実は少し違和感があった。

でも、いつも冷静な先生が、特に倫子の前では嘘を突き通さなければならない先生が、ふっと見せてしまった弱さ、みたいなものが逆に「俺」っていう言い方に出ているのかな、って。

最後に、同じように倫子を抱きしめて、先生は優しい声でささやく。

「僕は、いつも君と一緒にいるよ。君のそばにいるから。」

実際のところ、男の人って、どんなふうに「僕」と「俺」を使い分けるんだろう。

…うーん、自分でも何を言いたいのかわからなくなってきたぞ(笑)。
結局、先生の科白を思い出してただ書きたいだけなのかもしれない^^;。

コメント

さらさ
さらさ
2006年3月11日20:44

かりんさん
「僕」と「俺」・・・そうなのですよね、直江先生の一人称はふたつあるのだなあ、と。「俺」の部分が見える時って・・・、と私も考えます。ふたつの「俺」は、そうですよね、少し突き放して悪ぶってる(笑)感じ、そしてもうひとつ・・・。
私ね、「ずっとずっと、俺のそばにいてくれ」っていう「俺」ってもしかしたら、直江先生の素=中居さんの素、というか役に入り込んでしまったが故の「俺」なのじゃないかなあ、なんて思います。
なんてね〜

ユーリ
ユーリ
2006年3月11日21:52

かりんさん、こんばんは
直江先生のことだけじゃなく、私も結構男の人が使う「僕」と「俺」の使い分けについて考えたりしますよ。(作品によっては完全に統一されているのもありますけど)
そうですね、直江先生にとっては

外側の「俺」……外界に向かって強さを表したい時、直江先生だったら悪ぶっている時かな。
その内側の「僕」……対している人に優しさを表したい時。七瀬先生に対してもそうだったような。
一番内側の「俺」……これは、上のさらささんがおっしゃっているように「素」が混じってしまったのかもしれませんね。ちょっとシナリオを見てみたいものですね。

かりん
かりん
2006年3月12日0:02

>さらささん
中居くんの「素」ですか〜。なるほど、そんなふうに考えたことなかったので、目からウロコでした。ありがとうございます〜^^。
ところで。先日さらささんとこのコメントのお返事に書いてくださってましたけど、ほんとあと1週間ですね。楽しみにしてます^^。

>ユーリさん
私も龍居さんの脚本はどうなってたのかな、って書こうと思ったんです^^。いずれにしても、中居くん、もしくは直江先生のいちばん奥の、誰にも見せない部分がストレートに出た「俺」なんでしょうね。

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